1. スマホでアプリ開発が注目される理由

今、企業の中で「業務改善」や「生産性向上」のキーワードと共に注目されているのが業務用の自社アプリです。

これまでは、アプリ開発といえばエンジニアが専門知識を使ってPC上で行うものでしたが、現在ではスマートフォン一台あれば、社内業務を支えるアプリを自分で作れる時代になっています。

背景には、次のような変化があります。

・ノーコード・ローコードツールの普及

・社員一人ひとりのデジタルリテラシー向上

・外注開発にかかるコストや時間の削減ニーズ

・テレワークや現場作業でのモバイル活用の拡大

特に、現場の課題を一番理解しているノンプログラマーの社員が、自ら解決策となるツールをスマホで作れるという点が大きな価値を生んでいます。

2. ノンプログラマーがアプリを作れる時代

「プログラミングは難しい」「アプリ開発は専門家の仕事」と思っていませんか？
実は今、プログラミング知識がまったくなくても、ドラッグ＆ドロップ操作で業務アプリを作れるツールが数多く登場しています。

このようなツールを「ノーコードツール」と呼びます。特徴は次の通りです。

・コードを書かずにアプリを作成できる

・テンプレートが豊富で、すぐに使い始められる

・スマホからでもアプリの作成・編集が可能

・データの入力や表示も、視覚的に操作できる

たとえば、Googleスプレッドシートに入力したデータをもとにアプリを自動生成したり、フォームを作って現場での報告をアプリ化したりすることも、専門的な知識なしで行えます。

3. スマホで使えるノーコードツール3選

ノーコードツールは数多く存在しますが、ここではスマホでの開発・運用に強い代表的な3つを紹介します。

Glide

Glideは、Googleスプレッドシートをベースにアプリを作れるノーコードツールです。
スマホからも操作でき、ビジュアルも洗練されています。主な特徴、

・スプレッドシートのデータが即アプリに反映

・シンプルなUIで、社内利用に最適

・無料プランでも十分な機能を試せる

Adalo

Adaloは、視覚的に操作できるノーコードツールで、iOS・Android両方のアプリを同時に作成可能です。

ログイン機能やデータベース機能もあり、業務ツールとして本格的に使えます。

・画面遷移やデータ処理も簡単に設定可能

・スマホ用のプレビュー機能で動作確認がしやすい

・デザインも柔軟にカスタマイズ可能

AppSheet

Googleが提供するAppSheetは、スマホのGPS、カメラなどの機能も活用できる業務向けに特化したノーコードプラットフォームです。

・スマホの機能と連携しやすく、現場業務に強い

・データソースとしてGoogle SheetsやExcelを利用可能

・オフライン対応もあり、屋外業務にも適している

4. 自作できる業務効率化アプリの具体例

スマホで作れる業務アプリの例をいくつか紹介します。いずれも、ノンプログラマーの社員が自分で作成可能です。

・在庫管理アプリ

スマホのカメラでバーコードを読み取り、商品の在庫数を登録・確認。店舗や倉庫での在庫チェックに便利。

・営業報告アプリ

訪問先で報告内容をその場でスマホから入力。本部へリアルタイムで共有され、情報のタイムラグを削減。

・日報アプリ

作業内容、対応した顧客、トラブルの有無などをスマホで記録。データは自動で集計され、管理者が一括確認可能。

これらのアプリは、従来エクセルや紙で管理していた作業をスマートフォンで置き換えることで、入力の手間を減らし、データの可視化や共有をスムーズにします。

5. 導入を成功させるためのポイント

ノーコードツールを使えば簡単にアプリは作れますが、業務にしっかり根付かせるにはコツがあります。

・小さく始める

最初からすべての機能を盛り込もうとすると、開発が複雑になり、運用もうまくいかないことが多いです。

まずは、1つの業務に絞ってシンプルに作るのが成功のカギです。

・ユーザーの声を取り入れる

実際に使う社員の意見を反映させることで、現場にフィットしたアプリになります。

 「使いづらい」「見にくい」などの声があれば、すぐに改善できるのも自作アプリの強みです。

・運用しながら改善する

一度作って終わりではなく、実際に使ってみた結果をもとに少しずつ調整していくと、自然と業務に馴染みます。

 ノーコードだからこそ、柔軟に変更・追加が可能です。

スマホでアプリ開発できる時代になったことで、ノンプログラマーの社員でも現場の課題を自ら解決できるチャンスが広がっています。難しい技術や大規模な投資は必要ありません。無料から使えるノーコードツールを活用すれば、小さな業務改善からスタートし、会社全体の生産性向上にもつながります。まずは身近な業務をアプリで効率化するところから始めて、自社に合ったツールづくりにチャレンジしてみてください。